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モーガン・フリーマン時空を超えて 7/20日放送回・私達は何も自由に選べない?私達の行動はプログラムされているの?・・・最新科学報告!

TV☆Writer

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「私達は、自らの意志で人生を歩んでいるのでしょうか。それとも、運命に囚われて生きているのでしょうか・・・」
「人間は、定められたプログラムによって生きているだけの存在なのかも知れません」
「選択の自由は、幻想なのでしょうか。未来を変えることができるのでしょうか」モーガン・フリーマンが、冒頭からこんな問いかけを発して始まった今回の『時空を超えて』。

最近のこのシリーズ、偶然と必然の問題とか、似たようなテーマが続いている。今回も似たような展開になるのかな、と思っていたら、最後の最後、面白い実験があった。

それでは、”自由意志”についての最新科学からの報告を、見てみよう。

番組の最初に紹介されたのは、被験者がボタンを押して、その脳の活動電位を測定する実験。

知っている人は知っている、あの”リベットの実験”と同じ実験だ。

被験者は自分で意識して好きなタイミングで好きなボタンを押す。つまり、自由意志でボタンを押すか判断している。脳の活動電位を調べることで実際にボタンを押す前の1秒前に”意識的に”判断を下している。

ところが、驚くべきことに、意識よりもずっと前に無意識がボタンを押す決定をしていることがわかった。なんと、意識よりも10秒も前に!

”リベットの実験”とは秒数などがかなり違っているが、10秒前というのはこの番組で初めて知った。かなりの驚きだ。

リベットの実験ですでに議論されていたことだが、私達は実際に決定を下しているのは無意識で、意識が後から自分を客観視して自分の行動を認識し、自らの行動の理由付けを後から行っているのでは?という議論があった。

この実験結果からすると、私達の理性や意識で意思決定をしていないわけだから、人間は無意識にコントロールされた機械的な存在で、自由意志はないということになる。

「つまり、自分の自由意志で決めたというのは、幻想だということになります」

ただ、この学者さんも自由意志が全くないとはさすがに思っていないようで、「私達は、自分で行動を決めているのです」
ただし、「それは極めて限定されたものに過ぎません」とのことだ。

ある本によると、リベットも意識が自分の無意識が起こした行動を途中で抑制することも可能だろうから、その意味では消極的で部分的に自由意志が働いているのでは?ということも言っていたそうだ。

誰でもそうだと思うが、自分の経験からも、自由意志がゼロなんてことはちょっと考えられない。この実験結果からすると、”部分的に”自由意志があるというのが妥当なところだろうか・・・?





ゴーリーという非線形物理学の学者さんも、概ね人間の行動は定まっているという意見のようだ。

人が歩くとき、前の人の後ろを付いていったり、適当な距離をとってぶつからないようにすることで、パターンのある動きをしてしまう現象を引き合いに出す。

いわゆる鳥や魚の集団の群れ行動(ACOアルゴリズム)の話のようだ。ACOアルゴリズムや鳥・魚の群行動の特徴は、特にリーダーなどがトップダウンで集団の行動を決めるわけではないこと。
個々の個体がそれぞれ少ない単純なルールで動くだけで、全体としては統制のとれた群れ行動を起こすことができるのと同じように、人間の歩行集団も数学的にモデル化できるのだそうだ。3つか4つ程度の変数を使うだけで、人間の歩行集団の予測ができるという。

実際、不思議なことに、障害物を置いた方が人の流れがスムーズになるのだそうだ。その理由は、障害物があることによって自分の動きに自覚的になり、進むべきコースを考えるから、結果的に人の流れが良くなるため。

この事実は一見、人間の自由を犯すような否定的な話に思えるけど、この学者さんはもっと素晴らしいことにこのモデルを使おうとしている。戦争の引き金となるものが予測可能になり、それを止めることができるかも知れないという。

ゴーリーさんは、戦闘行動の数と規模の間に、明確な数学的関係を見出した。人間の戦争中の行動が、こんな単純な直線で表せるのだそうだ。「(戦争中)人々は、自然に(自分では気づかずにパターン化された)こんな行動をしている」この予測がもっとできるようになれば、未然に戦争を防ぐことができるのでは?というわけだ。

ただ、あくまで集団の話だから、今回のテーマ、(個人の)自由意志とはちょっと違う気もするが・・・。

ゴーリーさんが言うには、
「人には自由意志はあります。それは間違いありません」
「もし私が戦争に駆りだされたとしたら、ある程度までは自分で選択できるが、戦死するかどうかについては否応なしに決まってしまいます」

やっぱり、大きな出来事には自由意志はなく、小さい範囲、部分的に自由意志があるという意見のようだ。

最後に出てきた学者さんは、スクーラーという方。この人のやった実験は、すごく面白い。

もともとこの人は、あのクリックの本に刺激を強く受けたそうだ。

クリックといえば、DNAの「二重らせん構造」の発見でワトソンと共にノーベル賞を受賞した、教科書でもお馴染みのあの人だ。クリックは書物で、「実のところあなた(読者)は、神経細胞とそれに関連する分子の集合体が活動しているだけの存在なのです」なんてことを書いているらしい。

スクーラーさんは、「(クリックは)断定的な言い方で、科学は自由意志の存在を否定していた。なぜ断定できるのか納得がいかなかった」という。

そこで、こういうクリックのような考え方が、人々の行動に与える影響を調べる実験をしてみることにした・・・。





スクーラーさんの実験では、2つの被験者グループにそれぞれ、自由意志否定派のメッセージと、

自由意志肯定派のメッセージを見せておく。

このメッセージを見せたあと、全員にテストをしてもらう。テストの正解分だけ、被験者は1ドルがもらえる。被験者はお金が欲しいので、一生懸命テストに取り組むが、実はこのテストはどうでも良くて・・・。

試験中にスクーラーさんが三文芝居(?)をして、秘かに被験者達の倫理感を試す。

「おっと、時間がない。用事があるから先に正解を渡しておく。答え合わせをして、一つの正解につき1ドルをビンから取っていってくれ」

1人になった被験者は、正直に正解分のお金を持っていくのだろうか。それとも、自分の答えを書き換えて、お金をだまし取るかも知れない。自由意志否定のメッセージを見た被験者と、肯定的なメッセージを見た被験者と、行動に違いがあるだろうか・・・。

結果は、自由意志がないというメッセージを見せられた被験者ほど、お金をだまし取りやすくなったのだそうだ。その理由は、「自由意志がないのなら、罪や責任を問われる筋合いがないから」。自由意志がないと思うほど、人の倫理感が低くなってしまったのだ。

スクーラーさんは言う。「(自由意志があるかないかは別として)自由意志を信じる事自体が、人間にとって大きな価値がある」

ん〜、含蓄のある言葉だ。
凄く説得力のある実験だった。

被験者の倫理がどうこうなんて馬鹿げたことを言うつもりはないが、良かれ悪しかれメッセージで倫理感が変わり行動も変わったということも、自由意志があることの証左になっているようにも思える。

この人、賢い。





今回の『時空を超えて』は、最後の実験のアイデアがとても面白かった。
この番組を見終わって、「自由意志なんてあるのかないのか」の答えが自分なりに出たように思った。

その答えをひと言で表すとしたら、

「信じるか信じないかは、あなたの自由意志次第です・・・」
おわり・・・。

自由意志なんて…ない!?

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