探検バクモン 3/8日放送回・おもちゃ老舗会社に爆笑問題が訪問(しただけ)
TV☆Writer
今回の『探検バクモン』は、誰もが遊んだことのあるおもちゃを制作している”某社”に、爆笑問題と光浦靖子が訪問する。
男の私も子供の頃にはこの会社のおもちゃにはお世話になっている。
プラレールで遊んだのはもちろん、姉や妹との”ママゴト”でリカちゃん人形を相手にしたこともしばしば。
学級シチュエーションで姉のリカちゃんと妹のリカちゃんに挟まれ、二人のわがままに右往左往する我が分身マクロスの超合金のしがなさ、はかなさを思い出す・・・。
大人になった今から思うに、子供の頃から女の子の自分中心で都合の良いわがままな考え方を、リカちゃん人形やガンダム、マクロスたちを介して学ばせてもらったものだ。子供というのはおもちゃやママゴトを通して社会の厳しい掟を学んでいくものなのだろう。
この会社の作るリカちゃん人形のお姫様志向のデザインは、女の子の権威の象徴であるとも言えるだろうし、プラレールは男の子供っぽい夢を育み、新幹線や宇宙ロケットなど、少なからず現代の科学技術に貢献してきたのだろう。
40歳をとっくに越えながら、屈折した乙女心を維持し続けている光浦靖子をゲストに迎えて、100年近くもおもちゃの名作を作り続ける”某社”に社会科見学の遠足だ。
今のリカちゃんは凄い。なんと「レジ打ち」に人気があるのだそうで、指の先ほどの大きさの商品をレジに振りかざすと、実際に「ピッ」と音が出る。
こうやって大人の社会の掟を小さい頃からシミュレーションして訓練し、自らのカラダに掟を刷り込む子供たち。頭の下がる思いだ。
冷蔵庫のリンゴタイマーなんて、リアル過ぎる。この冷蔵庫の取っ手を開けると、牛乳パックなどもきちんと入っている。
子供たちはおもちゃや遊びを通して社会からいろんなことを学んでいるわけだが、面白いのは、リカちゃん人形のデザインが、逆方向に大人の社会に影響を与えているということだ。
例えば小倉優子のセンスや見た目。リカちゃん人形から影響を受けているというより、リカちゃん人形そのものだ。
リカちゃんたちから社会の掟を叩きこまれたにも関わらず、離婚の憂き目に遭ったのはどういうことなのだろうか。リカちゃんは小倉に理想を偏って教えすぎたのではないだろうか。
この方は会社の社員の久保弥(わたる)さん。
リカちゃんのお相手役の「わたるくん」のモデルになったとかならなかったとか・・・。
我がマクロスにわたるくんなんていうイケメンライバルがいたなんて、知らなかった。まさか婚活サバイバルの厳しさまで訓練させられるとは・・・。
気になるのは、わたるくんの容姿。明らかに日本人の男の子ではなく、外人の顔立ちだ。外人の顔立ちにしているのは、一体どういう意味なのだろう・・・。
おもちゃで社会の仕組みを学ぶのはいいのだが、現実の厳しさを知るタイミングが早かったり遅かったりすることによって、結婚しなかったり離婚したり、その子供の人生の大きな転機に影響している。
先日のサンジャポで西川史子女史も「精神年齢が幼くなってきている」と言っていた。西川女史以外にも、そう言っている人は多い。
それが良いのか悪いのか、そもそも事実かどうかもわからないが、確かに私も一緒に仕事をしてきた若い世代を見ていて、そう感じることが多かった。
ただ、精神年齢が幼い方が社会は儲かるのではないかとも思えるから、悪いとは限らない。日本のサブカル系は大きな輸出産業の柱の一つで、みんながその恩恵をたくさん受けているのだから。
若年層のわがままが抑えられて財布の開き具合が鈍り景気が悪くなると、年金だって破綻しかねないのだから、ある意味日本経済は精神年齢の幼稚化に支えられているのかも知れない。
どうでもいいことだが、この35周年記念モデルのリカちゃんは、自家1億円なのだそうだ。
このリカちゃんは本物のダイヤモンド881個で着飾る。この成金趣味も、子供たちに夢と希望を与えているのだろう。
太田光がこのリカちゃんをデヴィ夫人に例えていたが、デヴィ夫人にとってはリカちゃん人形に例えられたら嬉しいのかも知れない。
ただ、リカちゃん人形からするとどういう気持ちなのだろうか。デヴィ夫人は某裏社会のボスから引き立てられた経験を持つ、最初からお姫様ではなかった人だ。
このリカちゃんは、普段は厳重にジュラルミンケースに閉じ込められ、小さな箱庭の世界しか知らない。先日日テレで放送されたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』では、狭い世界に閉じ込まらないで開かれた自由な世界に飛び出そう!というよくありがちな物語だった。
ラプンツェルの人生と、35周年リカちゃん。そしてホステスから玉の輿に乗って成り上がったデヴィ夫人。どの人生が幸せなのだろうか・・・。
もっとも、どっちにしてもお姫様の世界の話だから、ほとんどの女の子には参考にならないのだろうが・・・。
この会社の社員の人によると、「おもちゃ」という言葉の語源は、手で持って遊ぶ「もてあそび」が語源なのだそうだ。コンピュータのバーチャルな遊びとは違い、この会社の作るおもちゃは手触りができる。
そういえば、私のマクロスも二人の女性に囲まれ、モテモテだった。確かに、肌身を通じてモテ期を実感していたわけだ。思えば、あの頃が私の人生最大のモテ期だったのかも知れない。
おもちゃによる理想の世界と年を経るごとに味わう現実の世界のギャップ・・・。私もおもちゃを通して現実の厳しい社会の掟を学んだ。
ただ、おもちゃの世界のまま大人になってしまった人もたくさんいそうなのが今の世の中だ。
今回は老舗おもちゃ会社に訪問した『探検バクモン』だが、爆笑問題にしろ光浦靖子にしろ、特に目立った働きは無かったように思う。別に他の安いタレントでも良かったのではないか、と思った。
有吉弘行がラジオで「モニターを見るばかりの(楽な)仕事も多いが、そういう仕事はいずれ他の人に取って変わられる」という話をしていた。爆笑問題だって、この番組でいつ取って変わられるかわからない。
この番組での太田光は時々、物凄く大人しい時がある。
太田光らしさがこの番組からは感じられないことも多い。
もう少し破天荒に自由にやってもらって、リカちゃんのお姫様気分の鼻をへし折ってもらった方が、視聴者としては面白いのだけれど・・・。
もっとNHKや恐妻のお姫様の掟と闘ってほしいところだ。